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子どもエッセイ

〇〇式

2012/06/14

保育を深めていこうとすると、いろんな種類の「〇〇式保育」というものに出会います。

モンテッソーリやシュタイナーなどは有名で、前面に押し出して保育しているところもあります。

その時々で、流行などもあるのでしょうか。

例えば、数年前に、フィンランドがOECDの学力調査で上位を占めているときは、「フィンランドメソッド」がもてはやされました。

世界各国で様々な教育メソッドが存在していますが、勉強になることも多く、いいところは率先して取り入れたいと思います。

しかし、どこかの国のメソッドを取り入れようとするとき、むやみやたらに猿真似をしてしまっても、それがちゃんと子どもに還元できない場合が多くあります。

それもそのはずで、それぞれの国にはそれぞれの歴史がありますし、経済的な背景や文化的な違いも存在します。

それら土台が違う国に、そのままの形で持ってきたところで、そこにいる子どもに上手く還元できるはずはありません。

自分の園はどのような地域性があるのか、どんな子ども達がいるのか、そこで働くスタッフはどんなタイプなのか、行政の方向性や理念は何か・・・

それらのことを踏まえて、自分の園の子ども達にとってプラスになるものを選択し、上手く還元していく応用力が必要になってくるんですね。

しかも、保育というのは、1-2年という短期間で結果が出るものではありません。

少なくとも5年-10年の長期的な視点で行わないといけないわけです。

ですので、何かしらのメソッドを取り入れた場合、結果をすぐに求めずに、長期的な計画の下に諦めずに進めていくしかありません。

たまに数年ごとに取り入れるメソッドをコロコロ変える園さんもありますが、そのメソッドが明らかに子どもにとって不利益な場合を除いて、短期的な視点だけで諦めてしまうのはもったいない気がします。

 

まぁ

個人的には、私はあまり「〇〇式」とかいうのを前面に出すのは好きではありません。

それぞれのいいところは学ぼうとしますし、納得させられるところや感心させられるところもたくさんあります。

ただ、やっぱり忘れてはいけないのは、

「園にはいろんな子どもがいるということ」

です。

どの子どもにも、ちゃんと質の高い保育を保障することが保育だと思っていますので、Aくんには合うけどBちゃんには負担が大きすぎる、といった保育は行いたいとは思いません。

もちろん、現時点ではうちの園はまだまだきちんと一人ひとりに合った保育を提供できているとは言いがたいのですが、そのことを意識しているのとそうでないのとでは、大きく違う気がします。

 

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