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子どもエッセイ

チューリップ

2012/01/12

毎年、秋になるとチューリップを植えています。

卒園式の時に、園で育てたチューリップを1本ずつ、卒園児に渡したいと思って始めたことなのですが、なかなかタイミング良く育ってくれません。

といっても、全く育たないというわけではなく、蕾の状態だったり、花が咲ききってしまった後だったり、本数が足りなかったり・・・

タイミング良く咲かそうと思えば、たとえば球根を冷蔵庫で寝かせて育成期間を考慮して植えつける等の方法があるのですが、それではやっぱり自然ではないですし、気温や天気などによって、育ち方や開花時期が違ってくるということに気づくこと自体に、意味がありますので、自然の気候にまかせて、タイミング良く育つようにと毎年願いを込めながら植えています。

チューリップといえば、真っ先に思い浮かぶのがオランダでしょうか。

それもそのはず、チューリップはオランダの国花ですので、様々なメディアなどでオランダが取り上げられるときは、必ずと言っていいほど、チューリップがセットになっています。

国花ということもあって、チューリップにまつわるオランダの民話があります。次のようなものです。

ある美しい少女がいました。その少女に3人の騎士が求婚しました。求婚するときに、一人は黄金の王冠、一人は剣、一人は財宝をもって、それぞれ愛をささやきました。しかし、三人の騎士から求婚されたものの、少女は誰か一人を選ぶことはできませんでした。少女は悩んだ末に、花の精霊にお願いして、自分を花の姿に変えてもらいました。3人の騎士が持ってきた王冠は花に、剣は葉に、財宝は球根になりました。そして、花の姿に変えられた少女の名前から、その花はチューリップと名付けられました。

私たちは、生きていく限り、何かを選びながら生きていかないといけません。選びきれないことに遭遇することもしばしばです。

選ぶということは、何かを捨てることでもあります。

だからこそ、選びきれないとき、それぞれを上手く取り入れて別の形にして残していくということが大切なのではないでしょうか。

それが、これからの時代に必要な「共生」ということにもつながっている気がします。

 

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