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子どもエッセイ

自閉症スペクトラム

2016/08/01

近年は、「発達障害」や「自閉症」といったキーワードが様々なところで聞かれ、専門家でなくても知識として知っている方が増えました。

何も知らない・聞いたこともない、よりは多少マシな状況なのかな、と個人的には思います。

現代の医学や科学は昭和時代に比べ、飛躍的に進み、障害といっても様々な分類がされています。

中でも比較的新しい分類だったのが、「アスペルガー症候群(障害)」です。

レット症候群・小児期崩壊性障害・特定不能の広汎性発達障害などと共に、「広汎性発達障害」といわれていたもののひとつです。

簡単にその症状を言いますと、

・対人的な相互反応に課題がある。

・コミュニケーションに課題がある。

・行動や興味、活動が限定していて反復的・常同的である。

の3つです。

要するに、会話のキャッチボールが難しい、相手の気持ちがくみ取れない、いわゆる空気が読めない、オタク気質が強い、ひとつのことにこだわるなどなどです。

他の特徴としては、感覚過敏もしくは鈍感であったり、知能面では問題がないことなども挙げられます。

このアスペルガー症候群ですが、数年前に改訂されたDCM-Ⅴによって、「自閉症スペクトラム」としてひとくくりになりました。

ひとくくりといっても、単純に一緒くたというわけではなく、カテゴリーとしては「自閉症スペクトラム」に入りますが、症状の深刻度によって判別する、という整理のようです。

専門家や当事者の中からは、ひとくくりにしていいものか、という疑問視も多く挙がっているようですね。

ただ、同じ障害名、同じカテゴリーであったとしても、個々のよって症状は違います。

今回のDSMの改訂を、プラスにとるならば、カテゴリーに拘らず、より個々の症状に応じた対応と、という改訂者の意図ではないかとも思います。

元々、発達障害全般に関しては、インフルエンザなどの病気と違って、はっきりとした線引をすることはできません。

インフルエンザならば、粘液からウイルスが検出されれば診断がつきます。

発達障害の診断は、チェックリストのいくつかの群のそれぞれから「それぞれいくつ以上」あてはまれば診断がつく、というものが多くあります。

ですから、A群からひとつ、B群からひとつ、といったように、各群からひとつずつだと診断がつかないことがあります。

ちなみに、ひとつでもチェックがつけば診断していいんじゃない?というお声がありそうなので、お伝えしておきますが、チェックリストの中には、誰もがどこかしら当てはまる項目が必ず存在します。

ですから、より一層、正常と異常の線引ができないわけですね。

そもそも、そんなに線引って大事かなぁとも思いますが、線引があった方が楽だと感じる当事者もいるわけですから、それを決めるのは当事者であっていいんじゃないかとも思います。

この当事者の気持ちや決定権などが、日本には大きくかけているところかもしれませんね。

 

 

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