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子どもエッセイ

マニュアルとルール

2012/02/28

いわゆる「マニュアル人間」というのは、マニュアルどおりにしか動けず、臨機応変に行動できない融通のきかない人のことを言います。

何事もないときはいいのですが、世の中というのは常に、いろんなことが起こり、同じ毎日を過ごすことはありませんし、全く同じことが起きる事もありません。

ですので、「マニュアル人間」だと、日々の生活や仕事において、往々にしていい結果を出せないことが多くあります。

いい結果を出せないだけならいいのですが、余計な手間やトラブルまで引き起こしてしまうこともあります。

これは、どうやら、マニュアルとルールを履き違えているからのような気がします。

マニュアルは、「基本的には参考になり、困ったときに役立つこともあるが、あくまでも参考にしかならないもの」であり、ルールは「他人に意図的に迷惑をかけないように、最低限、守らなければいけないもの」です。

マニュアルは守れても、ルールは守れない・ルールよりもマニュアル重視。

そんなおとなが増えている、もしくは目立っているように感じます。

 

うちの園では、子どもを「一人の人間」とみなして保育します。

一見、ものすごく子どものわがままを通す保育のように思われがちなのですが、人としての「ルール」にはとても厳しいです。

最低限のルールはきちんと守るからこそ、子ども達の自由が保障されるわけです。

逆に、マニュアルに関しては、あまり重要視していません。

マニュアルはあくまでもマニュアルであって、その時々で状況は違ってくるからです。

例えば、赤ちゃんの授乳ですが、マニュアルでは「これくらいの月齢なら4時間おき」などとあります。

ですが、4時間持たずに空腹を感じる子どももいます。そういったときは、マニュアルよりも、その子の空腹を満たす欲求を受け止める方が精神的にも肉体的にも重要ですので、4時間おかずに授乳します。

4時間あけることは、ルールではないからです。

 

世の中を生きていくには、臨機応変に行動できる柔軟さが必要です。

特に、景気が悪い状況だとなおさらです。

これからを生き抜いていかなければならない子ども達には、マニュアル人間にだけはなってほしくないものです。

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