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子どもエッセイ

「いい子すぎる」子ども

2012/07/14

子どもは、親やまわりのおとなの愛情や賛同を得ることで大きな喜びを感じます。

そのため、ほめられたり認められたりすると、とても喜び、そのことで、自分の存在価値を確認します。

注意しなければいけないのは、そのために、自分の気持ち(情熱や生命力)を自分の中で押さえ込んでしまう子どもがいるということです。

「いい子すぎる」子どもや、「いろんなことができる」子どもほど、注意が必要です。

自分が愛されている、認めてられていると感じたいがために、自分自身の感情を押し殺していることがあります。

これはつまり、言い換えるならば、「自分自身の一部しか生きられなくなる」ことだと言えます。

親やまわりのおとなからの愛情や賛同は、本来ならば、空気のように「あって当たり前」のものであり、「何もしなくても手に入れられるもの」のはずですが、世の中には、子どもそのものではなく、「〇〇ができるから」「いい子だから」その子どもを愛するおとながいるんですね。

要するに、おとなから見て、自分の価値観に見合う子どもでないと愛せない。

子どもが何か人より優れているところがないと不安になる。

おとなの言うことを聞く子どもでないと認められない。

こんな感じでしょうか。

 

そんな親やおとなのそばにいる子どもは、不幸としかいいようがありません。

なぜなら、「そのまま」の自分では愛してもらえないのですから。

ですので、そういった子ども達は、とにかく「おとなの思ういい子」であろうと努力します。

行き過ぎた早期教育などがいい例ですね。

結果のためだけにとにかくがんばる。

愛情を得るために、がんばるわけです。

そこに、子ども自らの主体性や喜び、楽しみはほとんどありません。

そうやって生きてきた子ども達は、無気力なおとなになったり、何かしらの精神疾患を先々患うようになります。

 

今、目の前にいる子ども達は、ちゃんと自分の感情を表に出せているでしょうか?

喜怒哀楽を表現できているでしょうか?

表情が曇っていないでしょうか?

行動の基準が「おとな」になってないでしょうか?

 

それらのことを常に念頭において、保育していくことがとても重要だと思います。

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