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子どもエッセイ

チームで行う保育

2012/07/03

うちの園では、どのクラスにも、これまでのいわゆる「担任」という一人担任ではなく、「〇〇クラス担当」という複数の担任での保育を行っています。

これは、子どもを見る「目」を多方面からのものにするためと、一人の保育士に負担がかかりすぎたり、保護者の方々が自分にとって話しやすいスタッフを選べるようにするためです。

昔ながらの保育ですと、一人の保育士がいて、その保育士の主観だけで保育が進んでしまいます。

子どもの人数に応じての保育士配置となりますので、子どもの人数が多ければ、主の担任とそれをサポートする副担任という形で保育士を配置することもありますが、主だとか副だとかにすると、副の保育士は主の保育士に意見することはできないというのが、昔ながらの保育現場の実際でした。

また、経験が長い、勤務年数が長い人が「偉い」とされるのも保育現場にありがちなことでした。

 

保育士と言っても、子どもとの相性があります。

子どもにとって、苦手だと感じる保育士が担任になってしまうと、その子どもにとって1年間、苦痛でなりません。

保護者の皆さんにも同じことが言えますよね。

複数の担当がいることで、子どももおとなも、自分にとって話しやすく信頼関係を結びやすい保育士を選ぶことができます。

また、これが一番重要なのですが、ひとりの子どもを「見る」とき、複数の「目」があることで、多角な視点から子どもの発達を見ることができます。

例えば、A先生の前ではあまり話さない子どもがいたとします。でも、B先生には、お家でのことや家族のことを話します。今度は逆に、B先生の前では、じっとしていることが多く、あまり活発に身体を動かさないのですが、A先生とは、一緒にボール遊びや身体を使ったあそびをいっぱいします。

この子をそれぞれの先生から見ると、

A先生は、「運動能力はあるが、言語面や社会性の面はまだ未発達」

B先生は、「言語面や社会性は高いが、身体能力がまだ未発達」

となります。それもそのはずで、それぞれの先生に見せる子どもの「顔」が違うからです。

AとBの保育士が、それぞれ一人担任ですと、上記の子どもの姿で終わってしまうのですが、これがAとBの保育士が同じクラスで且つ、チームとして保育していた場合は、A先生とB先生の両方の「目」での子どもの姿となりますので、それぞれの見立てが合わさったものが、その子どもの「姿」となります。

どちらが子どもの発達をきちんと見れるかは、一目瞭然ですよね。

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